マッサージ師の声

レイス治療院マッサージ師の医療保険を使った訪問マッサージに対する気持ちや、
印象に残ったご利用者様との交流を掲載しています。

  • レイス本部 服部 陽子

     あん摩マッサージ指圧師になり平成18年から訪問マッサージ業務を始めました。

    担当したご高齢者様はのべ約50名で、さまざまな声をいただきました。ほとんどの方が訪問マッサージを受けたことで身体的、精神的な改善を実感され、生活の質(QOL)の向上を喜ばれました。

    その喜びの声によって訪問マッサージの社会的な意義を感じ、毎日充実感をもって施術をしてきました。
    訪問マッサージに伺ったご高齢者様の経過やご家族様の感想で印象に残るものを掲載させていただきます。

    ・70代女性のご利用者様
    脳梗塞後遺症で右半身不全麻痺、車椅子の生活です。マッサージと機能訓練の施術を始めて間もなく、動かせなかった右足が自分で動かせるようになりました。ご本人も担当のケアマネージャーも驚かれました。「入院中、だれもマッサージしてくれる人はいなかった。私に必要だったのはマッサージだったのに。あなたに会えてよかった。あなたに会えたことは私にとって本当に大きい。」といつも言ってくださいました。

    ・80代男性のご利用者様
    2度の脳出血により四肢不全麻痺。このかたは作家で、まだ書きたいものがたくさんある、とおっしゃって回復を目指しマッサージをされていました。ほとんど動かせなかった手指、特に利き腕である右手の機能を取り戻せるように手指巧緻機能運動を取り入れていましたが、指の動きが良くなり、右手で鉛筆を使いお名前が書けるようになり喜んでおられました。

    ・70代女性のご利用者様
    パーキンソン症候群でほぼ寝たきりで、四肢の症状と頭部の浮腫が著しいのですが、マッサージでとても気持ちよく浮腫が軽減し不眠と抑うつが改善し、ご本人がとても苦しんでいた便秘にも効果がありました。

    ・80代男性のご利用者様
    前立腺疾患で3カ月入院している間に全身の筋萎縮と四肢関節の拘縮が進み寝たきりになりました。在宅中は全身のマッサージと四肢の機能訓練で関節可動域と筋力の回復を促し、拘縮の進行を抑え維持できていましたが、発熱などで入院すると関節拘縮が進み帰宅時には可動域制限が進行している状態でした。「病院では看護士さんも忙しくてマッサージなどしてもらえないからひどくなる」とご家族が嘆いていました。退院後すぐにマッサージしてほしいと呼ばれたこともありました。

    ・80代女性のご利用者様
    末期の肺がんで寝たきり。頚肩部痛、上肢痛、腰痛、両下肢浮腫と疼痛、咳、呂律が回らない、嚥下不良、食欲不振、不眠、便秘など様々な愁訴があり、全身のマッサージと温罨法で諸症状の緩和を図りました。疼痛の軽減と不眠、便秘に効果が見られました。終日苦痛にゆがんだ表情で寝ているが、マッサージをしている時は穏やかな表情になる、施術を楽しみにしている、とご家族も喜ばれ、介護家族の癒やしにもなっていました。自宅で看取られる最期までの約半年間、何ができるかを自らに問いながらマッサージ施術をしましたが、亡くなった後もご家族から感謝の言葉をいただき、私自身マッサージの癒やしの力を知らされました。生涯の終末をただ苦痛の中で終えようとされている方も、訪問マッサージによってご家族ともども穏やかな時間を持つことが可能になります。緩和ケア病棟はまだ不足しています。医療の手の届かないところにマッサージ師は手を差し伸べ、細やかな心遣いをもって高齢者や介護家族のQOLの向上のために尽力することができます。より多くのマッサージ師が医師や看護士、理学療法士の方々と連携をとりつつ、高齢者のQOLの向上に貢献できれば高齢者の方の毎日がより明るいものになると思います。



  • レイス本部 栢本 峰子

     私はこの職に就いて6年目。利用者様との心を通わせながらの施術で、日々とても楽しく自信を持って人生を歩んでいます。

     15年前、全盲になった私の考えることは「人間失格」ということだけでした。子育てもままならずドンゾコに落ち込むしかなかった自分が情けなく悔しく思いました。しかし、この免許を取ってこの職に就いて…今ではそんな暗い人間だったとは誰もわからないほど明るく元気に仕事に人生に邁進できています。税金も納められる人間になれたと目的一つ達成です。

     この仕事は全盲だからという甘えは絶対に禁物だとの思いで、常に人一倍の安全・施術向上を目指しています。健常施術者とは形が違うけど理屈は同じ施術内容で、効果を出すことは可能です。身体障害もしくは認知症になられた利用者様と全盲の施術者が一緒になり心通わせながら、マッサージ+機能訓練することで、効果の手ごたえを感じています。

     障害直後はリハビリに頑張っていた人も、在宅もしくは施設入所後の慢性期に入ると自立心が低下することが多いようです。それが、定期的に施術することと、障害を受け入れて前向きに働いている私と関わることで、今一度障害とともに人生を歩むことを考え直したり、訓練意欲が湧く利用者様もいます。障害を受けてからの心模様が共感できるからです。

     認知症の利用者様には、全盲を告知してそれを脳リハビリに取り入れます。私は見えないから、どこにあるか教えてっ!などと言うと「まぁ! かわいそうにね」と言いながら一生懸命教えようとしてくれます。マッサージは血行促進後、心も軽くなることを広く知ってほしいなと思います。認知症状が強くなったりする日は、頭部表皮の浮腫が目立ちます。それを軽く優しく頚部へのマッサージをすることで、施術後に素敵な笑顔が出ることは、それを物語っていると思います。

     時には、看護師さんと連携して褥瘡を完治したり、介護福祉士さんと連携して更にADLを向上させています。そんなこんなで、周囲の方々の優しい心遣いが身にしみることが多いです。私の現場である老人施設では、全盲施術者の私の一人動きも受け入れてくれています。自立心の強い私としては感謝!です。入所者さんが「車椅子の後ろに掴まって。連れて行ってあげるよ」などのこともあります。職員さんがほほえましく見守ってくれている様子です。会社のみなさんや世間のたくさんのみな様にも見守っていただいているのだなといつも感じながら毎日過ごしています。感謝で一杯です。

     この医療マッサージに携わって、全盲でも社会貢献できるのだなと思い、これからも頑張っていきます。